母の顔を見に行って来ました。〜親の老いを受け入れる苦しさを知りました〜
(ちょっと悲しい内容なので、今、そういう気分になりたくない方は、読まない方がいいかも知れません・・・)
先日、(以前、ブログに書いたのですが)
離れて暮らす母の老化が急に進んだということで、仕事の休みをもらい、東海道新幹線に乗って、母の顔を見てきました。
正直、かなりショックでした。
実家に帰るのは、1年7ヶ月ぶり。
マンションのドアを開けて、中に入ると、和室の部屋の介護用ベッドの上に、横向きに座っている母が見えました。
「ただいま~~~」
と、元気な声で言ったのですが、母は顔も体もこちらを向かず、横向きのままベットに座っているんです。
(聞こえなかったのかな?)
と思ってすぐ気がつきました。
(いや、ちがう!こっちを向けないんだ!)
と。
私は母の正面に回り込んで、顔が良く見えるようにしゃがみました。
母は認知はまだ大丈夫のようで、
「おかえり」
と言ってくれました。
でも表情はどこか変で、ややぼーっとして、宙を見るような目をしています。
母の前で泣いちゃダメ!と思ったけど到底無理でした。涙が溢れてきて止められず、母と抱き合いながら泣きました。
いつもなら、満面の笑顔で「おかえり〜!」と、玄関まで出てきてくれるのですが、今は、帰ってきた私に顔を向けることさえ出来なくなっていたんです。
親の「老い」を直視するのは、こんなに苦しい気持ちなのかと、その時、初めて知りました。
母は、体を思うように動かせなくなっていて、トイレもオムツを使っていました。
できるだけ自分でトイレをすることにしていてトイレに行くのですが、1人で移動するのは難しく、父が両手を持って連れて行っていました。
オムツの中に、取替え用のパッドが1枚敷いてあり、パッドだけ取り替えるということも初めて知りました。
母は、トイレに起きる時と、食事をする時以外は、ずっとベットにいる生活でした。
トイレは1日8〜10回くらい行くので、多少運動にもなっているようでした。
食事はテーブルにつき、お箸を使って普通に自分で食べていました。ありがたいことに、食については今までと変わらず食欲旺盛で、たくさん食べていました。(母の体型ははっきりいってかなり太っています。)
でも、姉が言うには、脳の満腹中枢が機能していないんじゃないかな?と。
確かに食べる量が半端なく、出されたものをひたすら食べていたので、心配です。
トイレと食事に起きる以外はベットに入り、入ると直ぐにウトウトして目をつぶり、そのうち寝息を立ててスヤスヤ眠る・・・というのを繰り返す、そんな様子でした。とにかく、よく眠ります・・・。
母をベットに寝かせるのもひと苦労で、自分だけではゴロンと横になれないんです。
腕や体をちょっと手助けしてあげるのですが、私が今、腰を痛めているので、なかなか難しかったです。
介護する人が体力的にどれだけ大変か、少しわかりました。
母を横にしたあと、私は畳の上に座り、ずっと手を握っていました。
そうすると、嬉しそうな表情になり、手を握ったまま、ポツポツおしゃべりをしました。
でも、おしゃべり好きだった母が、ほとんど話すことも無く、静かになり、私が話すことを聞いて、ひとこと二言返ってくるだけ・・・という姿を見ているのも、とても悲しかったです。
しばらく実家にいると、最初に家に入って顔を見た時より、意識がはっきりして、表情も普通にもどっていて、宙を見るような感じはなくなっていました。
一日のなかでも、いい時とそうじゃない時があるようでした。
スヤスヤ眠っている母の顔を見ると、また涙が出てきて、何度も何度も泣きました。
(このまま、すーーっと、死んでしまうのではないか・・・)
(もう、起きないんじゃないか・・・)
という考えも頭に浮かんできてしまうのです。
消しても消しても、悪いことの想像や、反対に、昔の母との楽しかった思い出の映像が浮かんできて、涙が止められないのです。
実家には4日ほどいたのですが、泣くのは一日で終わることなくずっと続き、実は横浜に帰って数日経った今もまだ、直ぐに泣いてしまいます。
通勤の車を運転している時など、1人になる時が多いです。
子どもたちと一緒にいたり、仕事で忙しくしているほうが、泣かなくて済みます。
多分、そういう日が続いていけば、泣かなくなると思うのですが。
まだ全然、自分の気持ちの整理がつかず、胸がソワソワしています。食欲も落ち気味です。今は眠れていますが、実家にいる時は眠れませんでした。
受け入れるのに時間が必要なんだと思います。
幸い、私の周りには理解者がたくさんいるので、大丈夫だと思います。
こうして、ブログを書くことも、気持ちの整理をつけるひとつの手段ですし。
親の老いを受け入れるとは、こんなにも苦しいことなんだな・・・
庭のこでまりが満開です。
春はいいですね。
たくさんのお花たちに癒されます。